「シャリ」や「あがり」に、「むらさき」…。
お寿司屋さんに行くと、普段あまり聞き慣れない言葉を聞くことがありますよね?
お寿司屋さんで良く呼ばれる言葉に「むらさき」がありますが、これは「お醤油」を意味しています。
一体なぜお醤油を寿司屋では「むらさき」と呼ぶのでしょうか?
有名な説を今回詳しくご紹介していきます。
寿司屋では醤油のことを「むらさき」と呼ぶのはなぜ?
寿司屋で「お醤油」を意味する「むらさき」がなぜ呼ばれるようになったのか、気になりますよね?
その理由は諸説ありますが、主に3つ挙げられます。
それぞれどのような説なのか、詳しく見ていきましょう。
赤褐色=「むらさき」と呼んでいた説
理由のひとつ目は、昔の人が赤褐色のことを「むらさき」と呼んでいたから、という説です。
お皿に入れたお醤油が赤褐色だったため、「むらさき色」のイメージがそのまま定着して呼び名がついたとか。
現代の感覚の「むらさき」とは少しニュアンスが異なる色を、当時の人々は「むらさき色」だと感じていたようです。
お醤油が当時貴重だったからという説
江戸時代当時は、江戸が政治の中心となっていましたが、まだまだ大阪や京の文化の存在感が色濃い時代でした。
そのような中、江戸の文化を発展させようという動きも少しずつ進められていました。
「むらさき色」は当時「高貴」の象徴ともいえる色で、この色を重んじた当時の人々は貴重な「醤油」のことを「むらさき」と呼び、珍重したといわれています。
実際、高貴の象徴であるむらさき色の醤油は、当時かなり高額で取引されていました。
気になるその金額は、同じく調味料のひとつである「塩」の約8倍!
そう考えるとかなり高額ですよね?
当時の人々から見ると、醤油は高価なだけではなく、憧れともいえる存在だったのかもしれません。
むらさき色の大豆を原料として使用するため
3つ目の説は、醤油の原料のひとつである大豆の中に、むらさき色をしたものがあるからという説です。
その大豆とは「丹波の黒豆」。
この黒豆を原料とした醤油はむらさき色になることから、次第に「むらさき」と呼ばれるようになったといわれています。
ちなみに、この黒豆の大豆を使用した醤油は現在も販売されていて、ネットなどでも簡単に購入することができます。
まだまだある!寿司屋で使われている独特の用語
寿司屋でなぜ醤油をむらさきと呼ぶのかは、ご紹介したように諸説あります。
醤油のように、寿司屋では他にも様々なものが独特の用語で呼ばれています。
ここからは、他の用語についても簡単に解説していきます。
片思い
寿司屋ではアワビのことを指します。
なぜ「片思い」と呼ぶのかというと、アワビの形状が2枚貝の片方だけに見えて、片方だけの恋心に見えることからこのように呼ばれるようになったそうです。
ガリ
生姜を薄く切って甘酢漬けにしたものが、ガリ。
ガリの由来は「食べるとガリガリするから」だといわれています。
お寿司では口直しとして昔から親しまれています。
シャリ
寿司屋のすし飯のこと。
サンスクリット語で「米」という意味である「sari」からついたという説や、お釈迦様の遺骨である「仏舎利(ぶっしゃり)」が米粒とそっくりなことからつけられたなどの説があります。
なみだ
わさびの意味。
食べるとその刺激で涙が出ることからこのように呼ばれるようになったといわれています。
まとめ
なぜ醤油のことを寿司屋で「むらさき」と呼ぶのか、ずっと気になっていたという人も多いのではないでしょうか?
「むらさき」という呼び名をはじめ、ご紹介した「シャリ」や「なみだ」など、寿司屋には昔ながらの呼び名が今も変わらず親しまれています。
お寿司屋さんに行く時は、ぜひ独特な言い回しにも注目してみてくださいね。
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